素敵なマチュア(成熟した人)たちの「そのまま」を追う、『ku:nel』の動画
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素敵なマチュア(成熟した人)たちの「そのまま」を追う、『ku:nel』の動画

話を聞いた人:『クウネル』編集部・河田実紀(編集長代理・ブランドディレクター)

『ku:nel』の動画の始まりについて

―― 『ku:nel』の動画はいつから、どのようにして始まったんですか?

河田:動画制作に本腰をいれたのは2022年の10月頃ですね。当時YouTubeは若者の観るメディアという印象や風潮があったのですが、読者の方々を取材している中で、家のテレビでYouTubeを観ているという多くの声が聞こえてきました。また、様々な企業も動画に力を入れはじめていることを感じていました。「これはきっとポテンシャルのあるメディアになるに違いない!」と、YouTube制作を本気で進めようとなりました。

『ku:nel』は、「自由に楽しく生きる、素敵なマチュア世代」にフォーカスしています。だから1本目の本格的な動画は、『ku:nel』の顔ともいえるファッションデザイナーの島田順子さんに登場いただきたかったんです。島田さんの飾らないそのままの姿のドキュメンタリーを撮ろう!と。イメージは昔の「情熱大陸」でした。(笑)

――「情熱大陸」......!たしかにテロップの量や動画の雰囲気も近しいものを感じます。読者の方にとっては『ku:nel』のYoutubeが一つのテレビ番組として捉えられているということですよね。

河田:実際にテレビのドキュメンタリー番組を制作をしているスタッフに参加いただきました。YouTubeのトレンドに合わせるのではなく、「ku:nelらしさ」を一番表現できる番組をつくることを意識して。映像に集中できるよう、何度も観返したくなるよう、テロップ、BGM、ナレーションなど制作スタッフの知恵を借りながら細部にわたってこだわりました。結果は47万回再生を超え大成功。「ku:nelの動画はこの方向でいい」という確信を得られたのは本当にうれしかったですね。

NGなしの潔さ!『ku:nel』ミューズたち

河田『ku:nel』は毎号、マチュア世代の素敵なミューズの方々に登場いただいています。そのお一人が小泉今日子さんです。(『ku:nel』の動画は誌面と連動し、誌面のスチール撮影時に動画も撮っています。)

『ku:nel』の読者の方は、登場いただく方たちから、表面的な部分だけでなく、内に秘めた思いや大切にしていることを知りたいのだと察します。誌面では表現しきれない部分を動画で。例えば「小泉さんはどんなテンポで喋るのだろう。どういう仕草でバッグを持ち、ファッションを楽しむのだろう」など、誌面の原稿の行間や写真と写真の間の動き、そういう部分を動画なら届けられると思い毎回撮影をしています。

―― 「そのまま」を大事にした人がメインの雑誌だからこそ、読者の方は素の姿を観たいですもんね。

河田:小泉さんはじめ、誌面や動画に出演してくださる方たちが、やはりかっこいいと思うのは、編集部から公開前の動画の確認をお願いすると、ほぼ修正希望をいただかないことです。これは常にご自身の発言や行動に責任を持たれている証し、その潔い姿勢も尊敬します。人気の【ルームツアー】シリーズでも、「これが私の普段の暮らしのすべてです」とそのままを見せてくださる。そういったつくりこまない、嘘がない部分が、自分らしく生きたいと思っている方たちの少し先を歩く憧れの先輩たち、まさにミューズですね。

「10年後も見返したくなる動画」で世代を超えていく

―― 今後、『ku:nel』として動画で挑戦したいことがあれば教えてください!

河田:NHKの「100年インタビュー」のようなものをつくりたいなと夢を描いています。というのも、『ku:nel』に登場くださる方たちと接する度に「自分が役立てることがあるのなら、次の世代に何かを残していけたら」という思いを感じます。

25年11月号の誌面で、ジェン・スーさんに20代の人気作家・伊藤亜和さんと対談していただきました。世代は違っても共鳴し合いエネルギーが生まれる。世代を問わず「ku:nelの動画を観ると楽しくなる!元気になる!」そんなふうに言っていただけるようなものをつくっていけたらしあわせですね。

―― 人生の節々で繰り返し観たくなる動画として、幅広い世代に届いていってほしいですね!


隔月刊の雑誌と連動させながら、実は、驚くほど軽やかに動画で様々な挑戦を続けている編集部。素敵に生きるマチュア世代の「ありのまま」が詰まった動画を、ぜひご覧ください!

 

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