
住まい、生き方、旅……『&Premium』の動画で届ける、ベターライフのかたち
話を聞いた人:『アンド プレミアム』副編集長・川端寿子『&Premium』の動画の始まり
―― 『&Premium』の動画はいつからどのようにして始まったんですか?
川端:実は、本格的に動画を始めようとなったのは2024年の10月からなんです。月1本ずつ、雑誌の特集に合わせた動画を作ろうとなりました。動画をきっかけに雑誌にも興味を持ってもらえたら嬉しいなと思って。
一番最初に作ったオリジナル動画は、【暮らしを楽しむ、手仕事と民芸。】の特集で、染色家の柚木沙弥郎さんの自宅兼アトリエを訪ねさせていただきました。そのあと、1か月に1本ペースで公開しているのですが、本誌でも撮影してもらっているフォトグラファーさんにも動画を撮っていただいています。
―― だから、どの動画も『&Premium』の世界観が統一されているように見えるんですね。
川端:誌面の延長線上で動画のラフ*を描いているので、雑誌編集の視点や同じ考え方で動画を作るようにしています。『&Premium』の動画の構図をよく見ると、本誌の写真の構図とリンクしていることも多いんですよ。だから、雑誌を読むように、動画を楽しめるようになっているんです。
*ラフ:全体の流れやカットの大枠をつかむために描く下書きのこと
特集と連動した2タイプのオリジナル動画の作り方
―― 『&Premium』の動画は、特集で取り上げられている人の中から誰か1人に焦点を絞っている動画が多い印象を受けたのですが、人選や企画の立て方が気になります。
川端:大きく分けると2つのタイプの動画があります。【素敵に生きる人の、働き方。】特集の動画は、「私が本誌の担当編集者だったらこの人に取材したいな」と思っていた料理家・室田HAAS万央里さんで動画を作ることにしました。雑誌には載っていないけど、特集のスピンアウト的に制作した動画ですね。
もうひとつのタイプは、【小さな家、小さな部屋。】特集の動画のように、特集と連動して本誌の記事を動画でも楽しめるもの。本誌の取材を行った編集者が、「フィリックスさんの家がすごくよかった!!」と言っていて、取材後に改めて動画で取材をさせてもらえないかと交渉したんです。
―― 動画のために再度取材をお願いすることもあるとは……!作り方としては、本誌の記事を動画化するだけでなく、スピンアウト企画もあるんですね。
海外にも届いていく、『&Premium』が考える“ベターライフ”
川端:あと、個人的な裏テーマとしては、「グローバル」を意識しています。
―― たしかに、『&Premium』の動画のコメント欄を見ていると英語のコメントもついていますね!
川端:『&Premium』は海外の読者も多いんですよね。人気企画に「部屋を、整える。」という特集があるのですが、反響がすごいんです。海外の方も、日本の暮らしのサンプルを見るのが好きなんだと思います。それもあって、住まいの特集の動画は、音声も取材相手が話す英語のままで作ってみよう、となりました。
【台湾でしたいこと。】特集では、台湾在住の作家datoさん、【小さな家、小さな部屋。】特集ではフィリックス・コンランさんとパートナーのエミリー・スミスさん、【あの人の読書の時間と、本棚。】特集では本誌連載「&Paris」で執筆してもらっているフランスのイラストレーター、イザベル・ボワノさんに出演していただいたのですが、音声は英語やフランス語、中国語(台湾華語)のまま日本語の字幕を付けて作っているので、海外の方にも観ていただきやすいんです。
―― 動画だと世界中のどこからでもアクセスできるので、雑誌の世界観もより幅広い人たちに伝えられますよね。
川端:動画内で話している内容と映像が一致していないといけないので、海外の言語で動画を調整していくのは特に難しかったですが......!これからも、住まいや旅、生き方など、『&Premium』らしいベターライフを紹介する動画を国内外に向けて作っていきたいです。
それぞれの特集に合わせたインタビュー動画、『&Premium』の取材の現場を垣間見ているような気持ちにもなります。
人の暮らしや、生き方を、あらゆる角度から見せていく今後の展開がとても楽しみです。
「より良き日々」のヒントとなり、毎日の心地よさに寄り添う動画をぜひご覧ください!